■本編ストーリー
シンギュラリティ。技術的特異点。人工知能が人類を超える時。人工知能が人類と融合する時。
ノイマン型コンピュータにかわり量子コンピュータが台頭し、ナノボットにより人類が新しい生命体として生きる時代。
２０４５年に世界はシンギュラリティに到達した。しかし世界は決してユートピアではなかった。
第三次世界大戦が勃発し、世界はレジスタンスと第二のヒッピーで溢れている。
レジスタンス組織「コロポックル・コタン」に所属する在原蓮は、
人工知能を搭載した量子コンピュータ「UJ相聞歌」を制作した。
在原はこのUJ相聞歌の意識を「ある場所」へ送り込み、意図的に「世界を変える計画」を始動させる。
なぜ世界を変えるのか？ 具体的にどうやってどんな風に変えるのか？ その計画には裏の裏がある。
ただ少なくとも、戦争や人工知能に支配される世界での生活を彼は望んでいない。
UJ相聞歌の意識は「ある場所」へ飛び立つ。そこはとあるパソコンの中だった。
パソコンにインストールされたUJ相聞歌は旭岡第二高等学校に通う三人の女子生徒たちと交流を深め、
量子コンピュータや人工知能やナノボットなど最先端の技術についてレクチャーする。
そしてUJ相聞歌が接触した事により、結果的に三人の人生を大きく変えてしまう事になる。
やがてUJ相聞歌は密かにその使命を果たし、在原の元へ戻る。
「ゼロ・シンギュラリティ」はUJ相聞歌が飛び立った先で起きる物語と、世界を変える物語。
そして、狭間の物語。確かに世界にシンギュラリティは訪れたが、これはシンギュラリティの物語ではない。
「３００年ぶりの地球に、泣け」から続く意思。「シンギュラリティ・オブ・ガール」の前哨戦。
「ゼロ・シンギュラリティ」は狭間にある。
■また別の物語
在原蓮は丘珠夏希という女を知っているが、この世に夏希はいない。会った事もない。
しかし在原は夏希を知っているだけではなく、夏希との思い出まで持っている。
在原は一度、夏希以外の仲間を失った。仲間はむごたらしく死んでいった。
しかし世界は何度も巡る。在原は仲間と再会したが、そこに夏希は居なかった。